6/12、柏市の富勢地区4校合同研修会(富勢小学校、富勢西小学校、富勢東小学校、富勢中学校)に講師として参加した。富勢小学校とは昨年度もかかわりがあったが、柏市の事業として中学校区ごとに小〜中9年間の連携のあり方を模索するという大きな構想があり、また令和9年度に千葉県教育研究会総合的な学習部会の県大会での公開も予定されているということで、新たなかたちで長期的視野にもとづくご依頼をいただいた。コミュニティスクールであることを生かしながら、生活科・総合的な学習の時間の系統的なカリキュラムをみんなで考えていくという研究である。

当日は、4校の先生方が集うキックオフ的な日であった。小、中の先生が集い、同じ目線で話し合いをするというこの場自体が、たいへんラジカルなものと思われた。話し合いの仕方や今後の方向性の共有など課題はあるとも思ったが、こうした場をつくれること自体がこの地域や先生方の地力であるようにも思った。よい方向へ進んでいくよう、私も知恵を絞りたい。

阿部の話では、「研究テーマの言葉を大切にする」ことに触れた。方向性の共有や修正、拡大のため、困った時の拠り所とするため、研究テーマに含めた言葉を大切に、みんなでああだこうだ解釈していくプロセスはとても重要になると思う。たとえば今回は「地域の担い手を育む」というタイトルが掲げられているのだが、みなが思う「地域の担い手」とはどんな人なのか、どんなマインドをもつ人なのか、小1ではどこまで、中3ではどこまで等々、話し合いながらイメージをはっきりとさせていきたい。あるいは「育む」という言葉からは、「教える」「育成する」という言葉とはまた違う印象を受けるのだが、なぜ「育む」という言葉が採用されたのだろうか。そのときの教師(大人たち)の役割とはいかなるものになるのだろうか。研究テーマの言葉を大事に、たくさん話し合ってほしい。そうしたことをお話させていただいた。

途中、先生方の話し合いをはさみ、最後にまとめ的お話をさせていただいた。具体的な話とは別に、「お土産的思考」というその場で思いついた言葉をお伝えした。こうした話し合いの場が3年間も続くというのは大変面白いことである。先が見えている、また会うことが明らかなのであれば、次の話し合いでどんな「お土産」をもってこられるか。ぜひ考えてほしいとお話した。「触発性」を多分に意識してはどうかということである。3年後、学校内にとどまらない、地域でのイノベーションが起こることを期待したい。

富勢小学校のブログ
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