※画像に映っている教材は、CHANGERS「楽しい? ふでばこさがしゲーム」より。イラストは田中六大さん作。

今年度、千葉県いじめ未然防止事業検討協議会(文部科学省委託事業)の委員をつとめている。いじめ未然防止に資する指導教材を作成するという事業だが、取り組みの1つとして、私のような外部の者が出前授業を行うことが企画され、今週授業をやってきたところである。担当したのは、小1、2、3(各1クラス、2校、計6回)。長年、実践的に教育方法研究をやっているが、小1への授業は初めての経験だった! 

せっかくの機会なので、何かしら提案性があった方がよいと思い、あれこれ考えた。大きいところでは、前述のとおり対象が小1、2、3と3学年にまたがっていたのだが、すべて同じ教材で基本的に同じような流れで授業を行うことにした。発達段階〜とか、目の前の児童に合った教材を〜とかいう一般的な考え方すると、ありえない話かなと思う。

でも、いじめ防止教育ということにおいては、教材で描かれるどんな話に対しても、1年生だろうがあるいは大人だろうが、人として何かしら思うことがあるはずである。そういう素の思いを大事にしながら、授業を編んでいくことも大事なのでは考えた(そういう問いかけをしてみたいと思った)。また、同じ教材について考えることで、授業者も観察者も、子どものことをより興味深く観ることができるのではないかと考えた。たぶん、大まかには学年ごとの発想の違いあるはずで、その「差異」が子ども理解やいじめ防止教育への発想につながるのではとも考えた。今回は、阿部の授業を1クラスで行い、他クラスの先生方がそれを参考に実践をすることになっていた。そういう授業づくりコミュニケーションの機会があったことも、この発想のもとになった。きっとこのあと授業をされる先生方は、今日の子どもたちの声のことをよく話してくれるのではないかと思う。

もちろん(雑な言い方かもしれないが)「よい」教材を選ぶ必要はある。今回はCHANGERSの「楽しい? ふでばこさがしゲーム」を使うことにした。これは、もともと低〜中学年向けとして開発した教材であり、ドッキリ的構造における認知の歪みやいじめ事象を描いたものである。(いじめ問題におけるドッキリ的構造の問題点については、追ってまとめるつもりである)https://wearechangers.jp/comic/13.php

先に結論を言うと、子どもたちは、その子(たち)なりにいろんなことを話してくれた。手前味噌だが、教材がよかったのだと思う。子どもたちの声は、おおまかには「1年生らしい」「2年生らしい」というようにまとめることもできるものだし、実際は本当に一人ひとり違うのだと思うこともできるものであった。授業者としては、かなり知的に楽しませてもらった。子どもたちも同じ気持ちであったら嬉しい。

他には、事前に提出した指導案の書き方を少し工夫してみた。一般的な指導案の形式ではなく、①まず教材開発(選択)の意図を述べ、②その教材による話し合いの論点はどんなものが想定されるかを書き、③授業の流れをかなり大まかに書き、④そして最後に「ねらい」を書いた。「ねらい」には段階というか、グラデーションがあり、どこまで到達できるかは、子どもそれぞれであろうと想定した。この方が自然だと思ったのだ。一般的には、「ねらい」→流れ、だと思うのだが、それだと「ねらい」が「掲げられている」印象になり、どーーしても、ねらいへ向けて一方向的な授業によってしまいがちになるように思った。そして、実際に授業を担当するにあたり、そうしたことは望んでいないと思った。そうではなく、授業の流れの結果として「こんなことを感じてほしいな」「こんな子になってほしいな」という願いが、ゆるやかに設定されるのが自然ではないかと思った。だから、最後に「ねらい」(≒願い)を書いてみた。

授業中のスタンスとしては、ワークシートを配るけれども「書けなくていい」ということ(国語じゃないし!ということを逆手に)、今日みた教材はネットにあるのでいろんな人とまた見て話してみてほしいと伝える(授業による触発性を重視した)、といったあたりを意識した。委託事業で。どうだっただろうか!?

板書の字がきれいでないのはゆるしてください。

(追記)実施校の1つがブログで紹介くださっていた。
https://www.fureai-cloud.jp/_view/mobara-hagiwara-e/notice/index/112/1506