※A幼稚園 園だよりコラムの掲載です。
夏休みに入ると、子どもたちにスマホを触らせる機会が増えるかもしれません。「スマホ育児」という言葉もよく目にするようになりました。「スマホに頼るなんてけしからん」という意見もあれば、「でも実際のところ便利」という意見もあり、賛否両論です。実際のところ、スマホは子どもにとって「悪」なのでしょうか。疑問や不安を抱える方も少なくないでしょう。
結論を言えば、スマホが子どもに与える影響を「善」「悪」の一言で説明することはできません。たしかに長時間、近距離で視聴するといった使い方は目に悪いでしょう。一方で、興味のあることを調べて知識が増えたり、親子で撮った写真や動画が大切な思い出となったり、良い面もあるはずです。程度や、バランス次第。要は、「かしこい使い方」ができるかどうか、が重要です。 * * *
NHKが今年5月にリリースした「NHKキッズ」というアプリがあります。「おかあさんといっしょ」「ピタゴラスイッチ」「にほんごであそぼ」など、おなじみの教育番組(の一部)が、スマホでいつでも視聴できます。昨年度年長組で盛り上がった「デザインあ」も見られます。ネットでは、有名曲「パプリカ」の「おかあさんといっしょ」Ver.が見られることで盛り上がっているようです。
実は、乳幼児向けのアプリはすでにたくさんリリースされています。そうした中では「NHKキッズ」は「後発」と言えるかもしれません。が、その分、安心安全にアプリを使ってもらうためのヒントが具体的に取り入れられており、「かしこい使い方」を考えるためのポイントが学べます。
まず、アプリを使おうとすると「つかうじかんを やくそく しよう」というメッセージが示され、10分〜60分までの使用可能時間を設定することになります。使いすぎ防止のための設定です。
次に、「めまもりチェック」という機能が起動します。「見まもり」ではなく「目まもり」ですね。フロントカメラによって、使用している子どもの顔がある程度の距離にあるかがチェックされます。
他には、動画を見終わると「声掛け例」という文言が表示されます。これは子どもではなく大人向けのメッセージで、動画を見せっぱなしにするのではなく、動画をもとに親子でコミュニケーションをとることが重要だというメッセージです。
「時間(依存しない)」「目の健康」「リアルなコミュニケーションの誘発」、この3点は、ここ数年たくさんの研究者が重要性を指摘してきた点でもあります。「かしこい使い方」を考える上での最初の一步となるでしょう。「NHKキッズ」以外のアプリを使うとしても、この3点を基本として、我が家ではどのようにスマホを使わせようかと事前に検討しておくことをおすすめします。