雑誌『発達』(通巻第156号、ミネルヴァ書房)の特集が、「なぜいまレッジョ・エミリアなのか」というものであり、保育研究者のはしくれの一人として、どのようなことが論じられているのか興味深くページをめくり始めた。

・・・ところが、本題とは違う部分で「!」。特定非営利活動法人アーキペラゴという団体の代表でいらっしゃる三井文博さんという方の原稿の中で、私がかつてやっていたバンドのアーティスト写真が用いられていた(全国的にはほとんど無名の存在であったが、インディーズレーベルからCDをリリースするなどしていた)。やや荒い画像であるが、間違いない。2008年にアルバムを出した際に使っていたアー写である。カメラマンに撮っていただいた写真を私が少し加工して完成させたので、よく覚えている。バンドを辞め、その後保育の研究をしていた者がたまたま手にとった保育雑誌で、バンド時代の自分を見ることになるとは! こんなことってあるの!? なぜいまこの写真なのか・・・。驚き、笑い、のちビミョウな気持ちに。

2009年に三井氏が高松市に提出したというある企画書の中に画像が用いられており、その企画書自体が雑誌に転載されている。私たちは、一ロックバンドであったのだが、画像に付されたキャプションは「若手芸術家 (芸大、美大卒業生) 芸術士/アトリエリスタ」というもの。ううむ・・・ギリギリ「芸術家」とは言えなくもないが、決して芸大、美大卒業生ではないし、もちろんアトリエリスタでもない。企画書なので、事業のイメージが伝わればそれでよいのだとは思うが、私(たち)自身は高松市に関わりはなかったし、三井文博氏とも交流はなかったのだけど…これでいいのだろうか? 少なくとも私は何の連絡もいただいてはいない…。たった一枚の写真ではあるが、自分(の写真)が自分でない者として、自分の望まない場所で用いられていることには、なんだかもやもやした気持ちになる。一度ネットにUPした画像はフリー素材と割り切る時代なのかもしれないけど。

何よりも,アーティスト派遣に関わる企画書の中で,知らない・有名でない「アーティスト」の写真がテキトウに用いられていることになんだか哀しい気持ちになるのでありました。