「2年次専門研究」(阿部ゼミ)では、国内外の先端的教育実践に学ぶということをテーマとしています。5月24日の授業では、NPO法人企業教育研究会職員の竹内正樹さんをゲスト講師にお招きしました。竹内さんは教員養成大学を卒業後、NPO職員という立場で企業と連携した出前授業のプロデュースを行う傍ら、大学院で「VR(Virtual Reality:一般には「仮想現実」と訳されます)を活用した体育の授業」について研究をしていました。

運動が苦手な子どもにとっては、先生が「もっとこういう風に!」と指導したとしても、なかなか実感をもって理解することは難しいと言われます。そこで、近年注目を集めるVRの技術を活用します。運動が得意な子の目線でプレイ動画を撮影し、それを他の子がVRディスプレイで視聴しながら練習すると……多くの子の運動技能が上達したという結果が出たと言うのです。高価で大掛かりな機材は必要なく、スマホと、安価なヘッドマウントディスプレイさえあれば体験が可能だそうです。

大学で習うことですが、教育の世界に大きな影響を与えたジョン・デューイ(1859 – 1952)という人がいます。彼は、社会の発展に応じて学校も変わっていかねばならないと言いました。当時彼がここまで想像していたかは分かりませんが、テクノロジーが急速に発展する現代だからこそできる教育のあり方が生まれてきているのだと思います。その一端に、竹内さんおお話をとおして触れることができました。今回のお話を自分なりに解釈し、社会の変化に敏感になり、柔軟な発想でよりよい教育のあり方を考えられるようになってほしいと思っています。

本記事は、敬愛大学ウェブサイトにも公開されています。
敬愛大学国際学部だより