阿部も参加する「いじめや人権、話し合おう、変えていこう。Changers(チェンジャーズ)」プロジェクトが、TBS news23で紹介されました。プロジェクトの発起人であるスタンドバイ株式会社の谷山大三郎さんの紹介とともに、教材シリーズの1つ「いじめといじり、どう違う?」を使った授業の様子が紹介されています。下にリンクを貼りますが、ウェブで動画もテキストもご覧いただけるようなので是非ともチェックお願いします。

こちら。https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1084687?display=1

このように授業の様子まで紹介くださったことは大変うれしいことです。いじめは社会問題と言えるものでもありますが、どうしても大きな事件が起こった後に報道がなされることが多いです。そのこと自体は疑いようもなく重要なことですが、学校現場で日々、地道に、どのように、いじめ防止教育がなされているかが知られることは少ないと思います。いじめ問題への対応は様々な観点からアプローチされるべきものですが、その1つとして、授業実践・教材活用としてこのような取り組みがあるのだということを多くの方へ向けて紹介いただけたこと、本当にありがたい!です。みなさま、どう思われたでしょうか?

紹介いただいた授業実践も、外部講師である谷山さんによるもので、ある程度は「特別な授業」といえるものなのかもしれませんが、そのなかみは良い意味でスタンダードな「The 授業」と言えるものだったと思います。先進的でありつつ、地に足をつけた実践です。「このような」実践が現場ではいま行われており、しかしまだまだ足りない所もあるのだと思います。この教材に可能性があると感じられた方はぜひ積極的にご活用いただけたらと思いますし、足りない所については是非ご助言をいただけたらと思っています。いじめ防止教育のあり方を、多くの方とともに、いっしょになって考えていきたいです。(それは、「子どもも大人もみんながいじめの”CHANGERS”になろう!」という当プロジェクトの理念でもあります)

なお、取り上げていただいたCHANGERS教材No.1「いじめといじり、どう違う?」は、〈これは「いじめ」で、これは「いじり」である〉というような答えを教えたい訳ではなく、「楽しいいじりのノリがいつのまにかエスカレートし、知らないあいだに誰かが傷ついていることもあるのでは?」「一度楽しいのノリが生じると、それが嫌だと言い出しづらくなるのでは?」「そのときのYESはほんとうにYESなのか?」「そうしたことに、なぜ気付けないのだろうか? どうしたら気付けるだろうか? そして気付いたときにできることはあるだろうか?」ということについて、子どもたちと考えてみたくてつくった教材です。記事サムネイル・タイトルに「「いじり」と「いじめ」の違いは?」「小学4年生の答えは?」とありますが、「違い」の正解を言い当てたいのではなく、こうしたお題をきっかけに上のようななんとも言えないムズカシイことについて、みんなで話そうよ〜という主旨です。このような主旨のもと、多様な意見を歓迎する方向で活用いただけたらうれしいです。是非教材をご覧ください。

CHANGERSプロジェクト https://wearechangers.jp/

教材No.1 いじめといじり、どう違う? https://wearechangers.jp/comic/01.php

追記:あらためて授業の様子を見ましたが、視聴がおわってすぐ子どもたちから声があがるのがとても良いな、嬉しいな、と感じました。というのも……議論を重視する道徳授業では(他教科でも?)、教材を前に発問を練りに練り研ぎ澄ましていくことが重要で、それが教師の力量だという文化があるように思います。確かに発問を練り上げるちからは重要でしょう。その一方で、そんなにこねくりまわさなければならないほど本質に迫りづらい教材って、教材として妥当なものなのか?という疑問も私はもちます。極論を言えば、端的に問題を理解できる教材があり、発問はボブ・ディランよろしく「どう思う?」でよいのではないかと思っタリします。教材はそのようにあるべきでは。ある道徳科に関する研修でそのようなことを申し上げ、「?」「……」となったことを思い出します。たしかに私の伝え方は不十分であったようにも思うのですが、「どう?ムーブメント」を起こしていってもよいのではと思う今日このごろというかこの数年であります。CHANGERS教材は、そんなことを思いながら(私は)つくっています。