敬愛大学教育学会主催の「2023年度学生論文コンテスト」にて、阿部ゼミ4年生の阿部仁美さん(名字が同じなのはたまたま)の論文「情報モラルを身につけるための体験型ミステリー教材の提案」が最優秀賞となりました。おめでとう! 敬愛大学教育学会紀要・第3号(2024.2)に要旨が掲載されています。

この論文は卒論をもとにしたもので、内容は「マーダーミステリー」(Murder Mystery)の形式を参考にした情報モラル教育教材の開発に関するものです。マーダーミステリーとは、推理小説のようなシナリオのもと、参加者それぞれが登場人物になりきって、自身の目的達成や真相解明を目指していくゲームです。即興劇のように参加者の会話・やりとりによっていかようにもゲームは展開し、その場かぎりのエンディングに結実していきます。推理という性質上、ネタバレ厳禁ですし、基本的には1度しかプレイできないというなんともユニークなゲームです(不勉強なもので私はマーダーミステリーのことを知らなかったので、ゼミ生にボードゲームカフェ(というのでしょうか)に連れて行ってもらい、いろいろと教えてもらいました)。そして、こうした「役になりきる、没入する」という特徴を生かした教材があれば、子どもたちが情報モラルに関するトラブル等についてもっと前のめりに考えられるようになるのでは、というのが研究の主旨でした。

阿部さんはオリジナルのマーダーミステリー風教材(課金トラブルに関する内容、念の為言えばマーダーミステリー「風」なので殺人事件レベルのことは起こりません)を、イラスト等も含め自力で作成しました。ゲームや、何かを自分の手でつくるということが好きだったのだと思います。私のゼミでは、自分の好きなものや関心事と教育研究を結びつけることを大事にしたいと思っているのですが、教員が用意したちいさな砂場で、こちらの想像以上に「遊びこむ」ことをしてくれたのかなと思っています。今後の人生にこの経験を活かしてもらえたら嬉しいですし、私としても「遊びこむ」学び場づくりによりいっそう励んでいこうと思った次第です。